日米貿易問題に関する公民で覚えておきたいポイント
2018年9月26日に日本とアメリカが新たな貿易協定に関する交渉を始めることで合意しました。この背景にはアメリカの対日貿易赤字(日本から見れば貿易黒字)があります。
日本とアメリカのあいだの貿易不均衡は何年も続く問題です。
公民でも世界経済や貿易に関するトピックが出てきます。
ポイントを整理したので確認しておいてください。
日本の対米貿易収支グラフ
まずは、高校入試などで出題されそうなグラフです。
日本の対米輸出額、輸入額、貿易収支額(輸出額−輸入額)を示したものです。
(単位は兆円)
(出所:「財務省貿易統計」をもとに作成)
グラフを見て分かるように貿易黒字額は右肩上がりに増え続けているわけではありません。
2008年、2009年と大きく下がっていますよね。
これは2007年に始まった世界金融危機の影響です。
2010年にやや回復(黒字が拡大)したものの、2011年は再び低下。
こちらは東日本大震災による影響です。
平成史(近代史)で出題されそうなところなので覚えておきましょう。
円高、円安、どっちがどっち?
貿易を考えるときに避けては通れないのは円高と円安です。
教科書にも出てくると思います。
円の価値が上がることが円高、円の価値が下がることが円安。
1ドルが100円から200円になったなら、円安です(100円で1ドル分の価値があったのに、100円で0.5ドル分の価値しかなくなったので)。
円高になれば輸出は減少、輸入が増加。訪日外国人観光客にとっては日本の物価が高く感じられるので、観光客は減少します。円安はその反対です。表で整理しました。
輸出 | 輸入 | 訪日外国人観光客 | |
---|---|---|---|
円高 | 減少 | 増加 | 減少 |
円安 | 増加 | 減少 | 増加 |
公民での重要用語
貿易に関連した用語も整理しておきます。
地域的な連携
- AFTA…ASEAN自由貿易地域
- NAFTA…北米自由貿易協定
- APEC…アジア太平洋経済協力会議
- MERCOSUR…南米南部共同市場
- TPP…環太平洋パートナーシップ協定
貿易関連の出来事
- 1992年…牛肉・オレンジ輸入自由化
- 1995年…世界貿易機関(WTO)が設立
- 2001年…中国がWTO加盟