中学公民の内容を時事問題をもとに解説

過労死白書から中学公民を学ぶ

10月7日に過労死等防止対策白書(過労死白書)が公表されました。

 

過労死についての現状や対策を取りまとめたもので、2014年に施行された過労死防止法に基づくものです。今後は毎年、発表されるもので今回が1回目。

 

日本の長時間労働は国際的にも問題となっており、「KAROSHI」という言葉も通用するぐらいです。今回は労働について中学公民の論点をまとめてみました。

 

労働者の権利

働く人(労働者)の権利は日本国憲法と法律で定められています。
まずは憲法から確認してみます。

【日本国憲法第27条】
(1)すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
(2)賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
(3)児童は、これを酷使してはならない。

このほかに第28条で「勤労者の団結権」を保障しています。

 

第27条では具体的な労働時間は定めていません。
法律でこれを定める」となっているんですね。

 

労働者の権利以外でも憲法でこうした書き方(法律でこれを定める)としている箇所はあります。理由は社会情勢の変化に柔軟に対応できるためです。

 

憲法を変えるよりも、法律を変えるほうが手続きがカンタンです。憲法改正なんて簡単に出来ないですよね。なので、「法律で定める」として、法律を変えるようにしているわけです。

 

労働三法

中学公民では労働基本権というものを習います。3つありますが、覚えていますか?

  • 団結権
  • 団体交渉権
  • 団体行動権

です。これを具体的に保障する法律が労働三法です。

  • 労働基準法
  • 労働組合法
  • 労働関係調整法

この中の労働基準法に労働時間や休日についての規定があります。
「過労死」とも関わるものですね。

 

労働基準法の規定
  • 労働時間 … 1日8時間以内、1週間で40時間以内
  • 休日 … 毎週1日以上、4週で4日以上

この規定があれば過労死なんて起こるはずがないじゃないかと思うかもしれませんが、これには抜け道があります。届出等によりこの規定を超えて労働させることができるのです。

 

ここに超過労働時間、過労死が生まれる余地があるというわけです。
では、長時間労働を全面禁止にしてしまえばいいかというと、そうとも限りません。

 

働き方を考える

働くことが好きな人もいます。長時間労働が苦にならず、むしろ新しい商品やサービスを生み出せる喜びを感じている人もいるかもしれません。

 

そうした人にとって一律の規制はマイナスです。
どう働くかは、どう生きるかとも関わってきます。

 

「どう生きるか」の答えは人それぞれ違うものです。
教科書の知識とは別に、自分なりに考えてみてください。

 

労働者の権利(中学公民のポイント)
  • 日本国憲法第27条 … 勤労権
  • 日本国憲法第28条 … 勤労者の団結権
  • 労働三権 … 団結権、団体交渉権、団体行動権
  • 労働三法 … 労働基準法、労働組合法、労働関係調整法
  • 労働基準法 … 労働時間は1日8時間以内、休日は毎週1日以上

週休2日があたり前になっているので休日は毎週2日以上と思って今い借りですが、労働基準法での規定は「休日は毎週1日以上」です。

 

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