ニュースに出る中学公民の要点・ポイント(東京一極集中)
総務省が2019年1月31日に「住民基本台帳人口移動報告(平成30年結果)」というものを公表しました。これは日本国内の人口がどのように移動したかというデータです。
都道府県別で転入超過が最も多かったのは東京都。
転入超過とは、その都道府県に転入してきた(引っ越してきた)人のほうが、その都道府県から転出した(引っ越した)人よりも多いということです。
これは東京都に人口が集まってきていることを意味します。
公民では都市部の人口過密問題として取り扱われます。
では、どのぐらい都市部に人口が過密しているのでしょうか?
また、都市部の過密は右肩上がりで続いているのでしょうか?
こうした点を総務省が発表したデータから知ることができます。
東京都は約30年間は転出超過だった
東京都はずっと転入超過が続いているわけではありません。
1967年から1996年まで(1985年を除く)は転出超過でした。
(出所:総務省「住民基本台帳人口移動報告」をもとに作成)
(データの比較が可能な日本人人口を対象)
戦後、東京都の人口が一気に増えたことで過密状態となり、東京近郊(神奈川県、埼玉県、千葉県)への人口流入が増えた時期は、東京都としてみると転出超過となっています。
このことは東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)のグラフを見るとわかります。
(データ出所など同上)
東京圏として見ると、転出超過だったのは1994年と1995年の2年間だけです。
(1993年はごわずかな転入超過なのでグラフが見えにくくなっているだけです)
東京都でみても東京圏で見ても最近になってまた人口集中度が増している(転入超過数が増えている)ことが押さえておきたいポイントです。
大阪圏、名古屋圏は?
公民の人口問題では三大都市圏というものが出てきます。
- 東京圏……東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
- 大阪圏……大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
- 名古屋圏…愛知県、三重県、岐阜県
東京圏は上で見たので、残りの大阪圏と名古屋圏をグラフで見てみましょう。
大坂圏の転入超過、転出超過
東京圏とは対照的に最近でも転出超過が続いているのが大阪圏です。
2011年と2012年がわずかながら転入超過となっただけです。
名古屋圏の転入超過、転出超過
名古屋圏は転入超過となった時期もありましたが、直近(2013年〜2018年)では転出超過数が増加(人口が減少)傾向にあるのが特徴的です。
中学公民のポイント
最新データで見ると、人口が集中しているのは東京圏のみで、大阪圏や名古屋圏は転出超過の状況にあります。