18歳選挙権から中学公民を学ぶ
2016年7月の参議院選挙が選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから最初に行われた国政選挙となりました。ニュースなどでもかなり取り上げられていたと思います。
選挙権について中学公民で習うポイントをまとめました。
選挙権拡大の歴史
選挙権は時代とともに変わってきています。
最初の選挙は1890年(明治23年)。
「25歳以上男性」+「直接国税15円以上」を満たす者のみに選挙権が与えられていたため、総人口の約1.1%程度しか選挙権を持っていませんでした。
「直接国税15円以上」が「10円以上」「3円以上」と徐々に緩和され、納税額にかかわらず選挙権が与えられるようになった法改正が1925年。
ただし、「25歳以上男性」は変わらなかったため、この時点では女性には選挙権が与えられていませんでした。なので「男子普通選挙」の実施と呼ばれます。
女性に選挙権が与えられたのは第二次世界大戦後。
1945年に法改正され、翌1946年の選挙から実施されました。
このときに「男女20歳以上」となりました。
そして、今回「男女18歳以上」に引き下げられたというわけです。
日本国憲法第15条
日本国憲法では第15条に選挙に関する条文があります。
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
(日本国憲法第15条3)
「成年者」「普通選挙」は穴埋め問題で出題されそうなところなので覚えておきましょう。
なお、普通選挙とは選挙権に納税額のような条件を設けないことを指します。
選挙の四大原則
民主的な選挙には欠かせない四大原則があります。
日本の選挙はこの原則に沿って行われています。
- 普通選挙 … 納税額、財産などで制限をしない
- 平等選挙 … 1人ひとりの票を平等にあつかう
- 秘密選挙 … 無記名で投票する
- 直接選挙 … 選挙権を持つ人が候補者を直接選ぶ
直接があるということは間接もあります。
間接選挙としてはアメリカの大統領選挙が有名です。
ただし、アメリカの大統領選は形式的には間接選挙ですが、選挙人が投票先を明らかにしているため、実質的には直接選挙と変わらないと言われています。