中学公民の内容を時事問題をもとに解説

マカオ政府の現金配布から中学公民を学ぶ

マカオ政府が市民に一人あたり約11.5万円の現金を配布するというニュースがありました。マカオ政府が市民に現金を配給するのは今年で9年目。

 

税金が余っちゃってるので、お金を配ってるという景気のいい話です。
マカオにはカジノがありここからの税収が豊かなことが原因。

 

うらやましい話ですよね。
市民にお金を配布する制度は日本にもあります。

 

生活保護制度です。

 

マカオ政府が行っているものとは位置づけが違いますが、この生活保護制度について中学公民のポイントを考えてみたいと思います。

 

社会保障、社会保険、生活保護

まずは紛らわしい言葉の整理から。
社会保障、社会保険、生活保護の違いがわかりますか?

 

この中では社会保障が一番大きな概念です。
社会(国家など)が個人の生活を助けるのが社会保障です。

 

ワイマール憲法で制定された社会権が始まりです。
で、この社会保障のやり方に社会保険や生活保護があります。

 

社会保険とは

社会保険というのは、みんなで保険金を出し合っておいて、必要な人がそのお金を受け取るというもの。医療保険年金保険介護保険などが社会保険の種類になります。

 

医療保険に入っているので、病院に行ったときに医療費を全額払うのではなく一部だけ支払えばよいのです。残りは保険料としてみんなから徴収された分から病院に支払われます。

 

ちなみに医療保険には種類があります。自営業者が入るのが国民健康保険(国保)、サラリーマンが入るのが健康保険(社保)といったようにわかれています。

 

20歳過ぎたら加入するのが国民年金

国民年金も社会保険のひとつです。
若いときから保険料を払っておいて、高齢者になったときに年金が受け取れるというものです。

 

日本は国民皆保険・皆年金といって20歳を過ぎたら誰もが加入することになっています。

 

ところが自分がトータルで払った分よりも、年金としてもらう分のほうが少なくなるのではないかといった疑念から保険料を支払っていない人が増えており、社会問題となっています。

 

保険料の支払いが不必要な生活保護

社会保障のやり方には社会保険以外にも公的扶助と呼ばれるものがあります。扶助というのは「力を添えて助ける」といった意味です。

 

これが生活保護にあたります。

 

「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために国が現金を扶助するものです。
病気などで働くことができない人などのための制度です。

 

収入があるのに、この生活保護を受けている人もいます。
生活保護の不正受給としてニュースなどで取り上げられることもい多い問題です。

 

ベーシックインカム

究極の「生活保護」ともいえるベーシックインカムという制度が世界的に議論されています。これは全国民に生活に必要な現金を支給するというもの。

 

働かなくても暮らしていける制度というわけです。
ただ、できるのはあくまで最低限の暮らしです。

 

それにしてもスゴイ制度ですよね。
この制度の導入を問う国民投票が行われた国もあります(2016年スイス)。

 

ベーシックインカムは「何のために働くのか」とも関係する大きなテーマです。
授業としての公民の知識ではなく、自分の問題として考えてみてください。

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