授業では話せない中学公民の炎上コラム

「高齢者率」を劇的に下げる方法

日本の高齢者率(総人口に占める高齢者の割合)は世界各国と比べても高く、高齢化問題が深刻だなんていわれますよね。

 

総人口に占める高齢者の割合は27.3%(2016年9月)。
女性に限れば30%を超えたなんてニュースもありました。

 

高齢者率は今後ますます高くなっていくと言われていますが、劇的に下げる方法があります。

 

65歳以上を高齢者とすることにムリがある

統計などで高齢者というときは65歳以上の方を指しています。
これは国際的に共通な基準で、だからそこ国際比較も可能というわけです。

 

ただ、いまの65歳昔の65歳は同じでしょうか?昔の65歳というと「おじいちゃん」「おばあちゃん」のイメージですが、いまの65歳はどうでしょうか?

 

すでに50代でおじいちゃん、おばあちゃんぽくなってる人もいるかもしれませんが、いまは60代でも活動的に行動している人が増えています。「高齢者」といってイイのでしょうか?

 

そもそも、いまと昔では平均寿命が違います。
平均寿命が50歳のときの80歳のときでは、65歳の意味も変わってきますよね。

 

平均寿命より上の方を「高齢者」とすると…

平均寿命の違いを無視して、一律に65歳以上を高齢者とするよりも、平均寿命より上の方を「高齢者」とするほうがスッキリしませんか。

 

「平均」より上だから「高齢」。
シンプルですよね。

 

この新しい定義で日本の「高齢者」率を計算し直してみました(データは2014年)。
(総務省「人口推計」、厚生労働省「年簡易生命表の概況」をもとに作成)

 

新しい「高齢者」率(2014年)
男性女性
平均寿命「高齢者」率65歳以上率平均寿命「高齢者」率65歳以上率
80.5歳4.7%23.0%86.83歳3.7%28.8%
  • 「高齢者」率…総人口に占める平均寿命より上の人の割合
  • 「高齢者」率は平均寿命を四捨五入して算出
  • 65歳以上率 … 一般的な高齢者率として使われている数値

 

男女ともこれまでの高齢者率よりも劇的に下がりますよね。
男性23.0%→4.7%女性28.8%→3.7%です。

 

ちなみに、この「高齢者」率の推移は下記のようになります。

男性女性
平均寿命「高齢者」率平均寿命「高齢者」率
1950年58.0歳8.2%61.5歳7.2%
1960年65.3歳5.1%70.2歳4.0%
1970年69.3歳4.1%74.7歳2.6%
1980年73.4歳3.3%78.8歳2.1%
1990年75.9歳3.2%81.9歳2.2%
2000年77.7歳3.4%84.6歳2.4%
2010年79.6歳4.4%86.3歳3.6%

(総務省「人口推計」、厚生労働省「年簡易生命表の概況」をもとに作成)
10年前より下がったところを赤字表記。

 

65歳以上平均寿命以下の方を高齢者扱いしない

高齢者問題が深刻なのは、現役世代が少ない人数で多くの高齢者を支えなければならなくなるからです。高齢者が増えることが問題なのではありません。現役世代の負担が問題なのです。

 

活動的な高齢者が増えると、現役世代の負担が少なくなります。
例えば医療費

 

活動的ということは健康的でもあるわけです。
病院に行く回数も減り、社会が負担しなければならない医療費が減少します。

 

自己暗示で高齢化が進む

自分は高齢者だと思うと、ますます老け込んでしまうものです。
自己暗示です。これは周りが高齢者扱いすることでも同じ。

 

平均寿命以下であれば高齢者ではない
本人だけでなく周りもそう思うことで、活動的になれるものです。

 

意識を変えるためにも、これからは平均寿命より上の方を「高齢者」としましょう。

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